特定非営利活動法人しまね自立支援センターは、重度の障がいを持った方々が地域で自分らしく、いきいきと暮らしていけるよう、そのサポートをしている団体です。

　障がいを持った方にとっての”自立”の定義は、ここ数年で「ADL(activities of daily living)＝日常生活を営む上でしなければならない食事、排泄、入浴などの動作」の自立だけを指すものではなく、「QOL(Quality of Life)＝健康や人間関係、やりがいある仕事などを含めた生活の質」を満たす、社会的自立へとシフトしてきました。近年では障がい者の地域移行、地域定着運動も盛んになり、行政や民間の様々な人たちや団体が、障がいを持った方々の人生がより自分らしく、充実したものになるようにと、さまざまな活動を行っています。

　しかし、生活の全般において介護が必要な重度身体障がい者の方は、24時間対応のホームヘルプサービスを行う事業所が少ないため、地域移行がなかなか進まないという現状があります。また、地域に出ても就労場所や日中活動を行う場が少ないため、地域の中での関係づくりや役割を持つことができず、地域に溶け込みにくいように感じます。このような社会資源やそれにかかわる情報の不足、また家族に迷惑がかかるのではないかという不安のために、重度身体障がい者の方は地域で自分らしい生活がしたいという希望があっても、「地域で暮らす」という選択肢を持ちにくい状況があるように思います。

　このような中で、私たちは、障がいを持った方ひとりひとりが地域の一員として、ご近所の方とふれあい、友人を作り、社会の中で役割を持って暮らしていけるようにという理念のもと、24時間対応の介護派遣をはじめとした、重度障がい者のための自立支援活動を行っています。

　今後は、少しでも多くの方に”重度の身体障がいを持っていても地域で生活ができる”ということを知ってもらい、障がいを持った方々が地域の一員として平等に扱われ、生きがいを持って暮らしていくことのできる社会を作っていけるよう、さまざまな活動に取り組んでいこうと考えています。

皆さまからの「こんなサービスがあったらいいのに」という声にひとつでも多く答えていけるよう努めてまいりますので、どうぞご指導ご協力をお願い致します。


　　　　　　　　　　　　　　　　　特定非営利活動法人しまね自立支援センター
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　理事長　　栂　紗綾花